熟練者の”勘”の仕様化と包括的なデータ構築支援で農作物の分類精度と検出率を向上
生育段階に応じて農作物を検出するためのAIを開発している顧客企業の課題解決事例です。ネクストリーマーは、顧客との緊密な対話を通じて、その専門的な知見を的確に仕様書に反映し、ワンストップでAI開発を支援しました。

【顧客の課題】生育診断をデータ化するための基準構築
曖昧な判定基準の言語化
農作物の生育段階の境界は曖昧で、見た目の印象や手触りなど、熟練者の感覚と直感を基に生育度が判断されていたため、その言語化が必要でした。
客観的基準を伴う仕様策定
農作物の個体差や撮影状況等による判断のバラつきを抑えるため、現場の知見を構造的に整理し直し、定量的指標と共に仕様書に落とし込む必要がありました。
【当社の解決策】顧客企業と密に連携し、農作物の生育度判定に関わる専門的知見を的確に仕様書に反映し、実作業までを一貫して支援
標準化された生育状況の判断基準創出
農作物の生育状況の判断には、言葉で表すことが難しい、熟練者の鋭い感覚と直感を要します。この極めて専門性の高い知見を取り入れる際、単に教えを請うのではなく、誰もが理解できる論理的な言葉に翻訳し、新たな視点を加えて問い直す対話を徹底。顧客も言語化できていなかった判断の拠り所を能動的に引き出すことで、顧客と同じ目線でデータを判別できる体制を短期間で構築しました。
生育段階の定義と数値化
農作物の器官の特徴(構造や形状、色味など)を生育段階ごとに整理し、現場の直感的判断に委ねられていた生育度を数値化。さらに、AI開発の意図を考慮しつつ、画像の品質や撮影環境等に応じてアノテーションの範囲や精度を厳密に規定。これにより、顧客の専門的知見を土台とし、作業間で解釈が分かれることもない、AI学習に最適化された仕様書を策定しました。
図. 顧客企業の専門知を基に、仕様書を策定する流れ

仕様更新による特異な個体への対応
顧客の要件に基づき、仕様策定から環境構築、データの前処理、アノテーションまで一貫して支援し、実作業中の仕様変更にも柔軟に対応。初期の仕様にはない特異な個体や例外パターンを発見した際は、都度顧客と連携しながら仕様を更新し、バウンディングボックスの精度を高め続けた結果、高い専門性と独自性を兼ね備えたデータセットの構築とAIモデルの検出精度の大幅な改善を実現しました。
プロジェクトマネージャーの声
「今回、お客様から非常に高い評価をいただくことができたのは、単にアノテーション作業を代行したからではなく、お客様が持っている農作物の知識を一緒に再解釈して、実用的な仕様に変えていくプロセスを当社が主導したからだと思います。特に、初めて触れた生育度の判定方法に関する知識をさらに深める意識を持って、積極的に新しい知識の吸収や仕様の作成・調整に一貫して努めたことが、お客様の信頼獲得に繋がり、一つのチームとしてプロジェクトを推進する鍵になったと感じます。」