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なぜ人手でのアノテーション作業が必要なのか その強みと役割とは


アノテーションを実施するためのアプローチには、大きく「人手による」方法と、「機械により自動化する」方法の2つが考えられます。AI開発には大量の教師データが必要であり、教師データを作るために必要となるアノテーション作業はどうしても作業ボリュームが大きいものとなります。一方で、現時点ではアノテーション作業の完全自動化は難しく、人手が必要な作業でもあります。なぜ手作業でのアノテーション作業が必要となるのでしょうか?また、手作業ならではのメリットはどのような点にあるのでしょうか。この記事で紹介します。

 

 

 

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なぜ手作業によるアノテーションが必要なのか


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人手による方法は、テキストや音声、画像に対して人手でラベル情報を付与していくアプローチです。人手で細かな作業を実施できるため、品質面・対応可能範囲などの面でメリットがあります。AI開発という高度な取り組みに必要なアノテーション作業ですが、現時点ではどうしても手作業によるアノテーションが必要です。それはなぜなのでしょうか。



アノテーションの自動化は発展途上

アノテーション作業を自動化するために、様々な研究開発が進められています。たとえば、山本らによる希少な難治性疾患に関するアノテーション作業の自動化(※1)では、症例報告から疾患を推定するために必要な情報を抽出して統制語彙と関連づけするアノテーション技術について検討しています。

また、鏡川らによる伝統文様画像の分類のためのアノテーション作業の自動化(※2)においては、伊勢型紙に描かれた梅、桜、菱などの文様を手がかりに、型紙の文様の自動識別を行うためのアノテーション作業を自動化する取り組みも行われています。

一方で、これらの研究を含め、現時点では特定領域を対象とした研究が多いというのが現状です。汎用的にアノテーション作業を自動化するまでには至っていないといえます。

※1 山本「日本語の症例報告への自動アノテーション技術の開発」
※2 鏡川「伝統文様アノテーション自動化のための自然画像とフラクタル画像による事前学習」


 


機械による完全自動化は難しく、人手による作業をサポートするのが現実的

機械により自動化する方法は、スクリプトを用いた作業自動化や、AI技術である生成モデルを用いる手法などによるアプローチです。現時点では技術的に成熟しておらず、限定的な領域においてのみ利用できるのが現状です。

このように、現時点でアノテーションの完全な自動化は難しいといえます。アノテーション作業には人手が必要となり、機械ができるのは人手で実施する作業を支援する役割といえるでしょう。

よって、人間がアノテーション作業をサポートするツールをうまく使いこなし、人手でのアノテーション作業を効率化・高品質化していくのが現時点でのアノテーションの進め方といえます。

実際にアノテーション作業を支援するようなツールは様々開発されています。たとえば、アノテーターが作業を効率的に実施できるように半自動で対象物を特定したり、動画に対してトラッキングを行ったりというような機能を持ったツールが提供されており、これらをうまく利用することでアノテーション作業を効率的にすすめることができます。


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実用的な品質を担保するためには人手が必要に

このような状況においては、ツールを活用しつつも最終的にアノテーション品質に責任を持つのは人ということになります。アノテーション作業を行うアノテーターのスキルが不十分だったり、アノテーション作業を統括するメンバーにアノテーションに関する専門知識やプロジェクトマネジメント力が無かったりすれば、アノテーションの品質を確保できません。

アノテーション作業を外部に委託する場合は、結局のところ人的なスキルが重要な観点となります。アノテーションに関する最新動向に精通しており、ツールの活用なども含めて作業を効率的に進められる企業への委託を検討するべきでしょう。



手動アノテーションの強みとは


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以下では、手動アノテーションの強みについて解説します。


品質の担保

品質を担保しやすいのが手動アノテーションのメリットです。品質を高めるために、アノテーション作業の進め方を工夫することもできます。具体的には、手動アノテーションにおいては以下のような施策を行うことができます。

① アノテーション作業に習熟したメンバーの参加
② アノテーション品質を担保できるようなアノテーションルールの整備
③ ダブルチェックの実施などのチェック体制強化

このように、様々な施策を通して品質を高めることができるのが、手動アノテーションの強みといえます。


柔軟性

柔軟に作業を実施できるのも手動アノテーションのメリットです。様々な要件・ニーズに対応したアノテーション作業を実施できます。たとえば、主観的な判断はその一つです。ある文章に対して抱く感情をラベル情報として付与するようなケースにおいては、複数名による主観的な判断を平均した感情情報を付与するような取り組みもできます。

また、AI開発の都合上、プロジェクトの途中においてアノテーション仕様を変更したいというニーズが発生することもあります。このような場合にも、柔軟に対応できるのが手動アノテーションの強みでもあります。



まとめ


この記事では、手作業でのアノテーション作業が必要となる理由や、そのメリットについて解説を行いました。AI開発において必要となるアノテーション作業ですが、現時点では人間の力による部分が大きい取り組みといえます。よって、品質の高いアノテーション作業を行うためには人のスキルが重要です。自社でアノテーション作業の人員を確保できない場合は、スキルを持った委託先の採用についても検討する必要があります。

 

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