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機械学習でのデータ収集方法徹底解説!データセット構築手順、外注するメリットとは?

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機械学習においてデータ収集は、モデルの土台を作る重要な工程です。しかし、AIシステム開発には一般的に膨大なデータが必要です。そのうえ、データ種類などのバランスも取らなければならないため、自力での収集が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。


本記事では、データ収集の手順や方法、注意点などを解説します。また、自社での収集とデータを集める技術の高い業者への外注はどちらがコスト面で有利になるかも解説しています。コストパフォーマンスを重視している方はぜひ参考にしてみてください。


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機械学習のデータ収集とは?

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出典:総務省「機械学習を用いたデータサイエンスのプロセス



機械学習のデータ収集は、AIが学習するための情報(データ)を集める工程を指します。データ収集は、モデルの土台を作る重要なプロセスです。

データ収集で得た情報を基にシステムを構築するため、データの品質はモデルの精度に大きく影響します。具体的には、データ収集の一貫性、品質、多様性、バランスなどが重視されます。これらの要素が揃っているデータを収集することが、モデルがより正確な予測をするための基礎となります。



機械学習のデータセット入手方法


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機械学習におけるデータ収集の手法は、大きく3つに分けられます。

① 自社でデータを集める
② オープンデータセットを用いる
③ 専門業者に外注する

ここでは、それぞれの手法の難易度や、どれだけの労力がかかるかを解説します。



①自社でデータを集める

自社に十分なデータが蓄積されていたり、データ収集のための十分なリソースがある場合は、データ収集を内部で完結させることができます。

しかし、データ収集はただ大量のデータを集めれば良いという訳ではありません。AIエンジニアやデータアナリストといった、データの偏りや質を正確に判断できる人材がいなければ、精度の低いシステムとなってしまう可能性が高いです。そのような人材が社内にいることは珍しいため、自社でデータ収集を行うのは難しいと言えるでしょう。



②オープンデータセットを用いる

国や大学が収集したオープンデータを用いてシステム開発を行うことも可能です。以下のように、様々な媒体のデータが公表されています。

データの種類 代表的なデータセットの例
画像 MNIST
Open Image
動画 YouTube-8M Dataset
UCF101- Action Recognition Data Set
テキスト Google Books
青空文庫
音声 AudioSet
声優統計コーパス

 

オープンデータは基本的に誰でも利用できます。ただし、商用利用可否については各データセットの規約をご確認ください。

オープンデータを活用すれば、労力やコストを全くかけることなくデータ収集が完結します。しかし、全ての業界・分野における適切なオープンデータが存在するとは限らないため、オープンデータが利用できないケースも多々あります。

また、オープンデータのみで自社に最適化したモデルを構築するのは難しいでしょう。そのため、精度の高いモデルを構築するには、独自に収集したデータと合わせて活用するなどの工夫が必要です。



③専門業者に外注する

独自の高精度なモデルが必要な場合、専門業者に外注するのが最も現実的な選択と言えるでしょう。専門業者の中には、データ収集のほか、モデリングや評価を踏まえての修正まで行ってくれる企業もあります。

システム構築の中で外注する工程がある場合には、データ収集も頼めないか確認してみると良いでしょう。

また、データ収集のみを担当してくれる企業もあります。データ収集はモデルの土台となる重要な工程です。質や量、ノウハウともに優れた企業にデータ収集を依頼することで、高精度なシステムの土台を作ることができるでしょう。



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データ収集の手順4ステップ


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データ収集は、以下の手順で行われます。

① 問題定義と目的設定
② 必要なデータの特定
③ 目的に応じたデータを集める
④ データに必要な情報を付与する(アノテーション)


①問題定義と目的設定

初めのステップでは、具体的な問題や目標を明確に設定します。例えば、あなたが製造業の会社で、製造ラインの欠陥品を自動で検出するシステムを作りたいとします。その場合、目標は「製造ラインの欠陥品をAIで自動検出する」となるかもしれません。


②必要なデータの特定

目標が定まったら、その達成に必要なデータを特定します。たとえば、欠陥品検出システムを構築するなら、良品と欠陥品の画像データが必要になるでしょう。この時、欠陥の種類によっては、それぞれの種類に対応したデータも必要となることを考慮します。



③目的に応じたデータを集める

次に、実際にデータを収集します。画像認識システムを開発するのなら画像データを、テキスト解析システムを開発するのならテキストデータを収集します。

自社内で十分なデータが存在する場合、それを利用できるでしょう。しかし、異常データの収集は難しいことが少なくありません。

たとえば、欠陥品検出システムの構築では欠陥品の画像データが不足することが多いでしょう。その場合、製造ラインで故意的に欠陥品を作り、その画像データを収集するといった方法も考えられます。

また、手間や費用を抑えたい場合はオープンデータを用いるのも手です。しかし、オープンデータのみで自社にマッチしたシステムを開発することは難しいため、高品質のモデルを開発するためには外部からのデータ収集が必須と言えます。

このプロセスでは、データのクオリティを保つことが重要です。不適切なデータを集めてしまうと、モデルの学習結果が歪んでしまう可能性があります。そのため、データ収集は専門知識を持つエンジニアやデータアナリストと密に連携を取りながら行うと良いでしょう。

なお、このプロセスは一度で終わりではなく、システムの精度を上げるためには繰り返し行うことが求められます。



④データに必要な情報を付与する(アノテーション)

AIは、単にデータを取り込めば学習を始められるわけではありません。システムに学習させるためには、データに情報を付与しなければなりません。これがアノテーション作業です。

例えば、不審者を検出するシステムを作る場合、不審な動きには「不審」とラベル付けをし、正常な動きには「正常」と学習させます。それぞれの例題に対応した正解がきちんとラベル付けされているデータを教師データと言い、AIが教師データから学ぶことで、不審者と正常者を見分けることができるようになります。そして、新たな画像に対しても正確に物体を識別する能力を身につけます。

このアノテーション作業は専門性と大量の時間が必要であるため、専門のアノテーション会社に外部委託するケースも多く見られます。専門知識を持つ人間による正確なアノテーションは、高品質な学習データを得るためには不可欠です。

そのため、データ収集に関する外部委託を検討する際は、アノテーションの作業も含めて考慮に入れることが推奨されます。



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データセット構築時の注意点


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データセットを構築する際には、以下の3点に注意する必要があります。

① データの品質を保持しなければならない
② データは大量に必要
③ 個人情報やプライバシーに注意しなくてはならない


それぞれの理由を解説します。


①データの品質を保持しなければならない

注意点 内容
データに偏りがないか データが一部のクラスや特徴に偏っていたら、AIは偏ったデータの特徴しか学習できません。したがって、データ収集時には各クラスのデータがバランス良く集められていることを確認しましょう。
必要なパターンは網羅されているか AIが対応しなければならないすべてのケースをカバーしているデータを収集することが重要です。つまり、AIが直面する可能性のある全てのシチュエーションを予測し、それらを網羅するようなデータを収集するべきです。
ノイズが入っていないか ノイズとはデータに含まれる不要な情報のことで、これが多いとAIの学習精度に影響を与えます。ノイズを減らすためには、データ収集過程で品質管理を厳しく行うか、後処理でノイズを除去する方法があります。

高品質なデータセットが集められなければ、精度の低いシステムとなってしまいます。高品質なデータを集めるには、以下のような点に注意する必要があります。


これらが1つでも欠けてしまうと、精度の低いAIシステムになってしまう可能性があります。例えば、馬とロバの画像認識AIを作りたいにもかかわらず、馬の画像ばかり多く集まって、ロバの画像が極端に少ない、つまりデータが偏ってしまった場合、すべての対象を馬としか判断できないシステムになることがあります。

また、必要なパターンが欠けていた場合は、未学習のデータを処理することになるため、推論の精度は大きく落ちてしまいます。例えば、顔認識AIを作る際には、さまざまな角度や表情、照明条件下での顔の画像データを収集しなければなりません。


②データは大量に必要

データの質も重要ですが、そもそも量が確保できていなければ、高確率で精度の低いモデルとなってしまいます。特に、画像認識のタスクでは1クラスにつき数千から数万のデータポイントが必要とされるのが普通です。

また、高精度なモデルを作成するためには、ターゲットのオブジェクトが含まれていないネガティブデータ(ダミーデータ)も集める必要があります。さらに、データの選定結果として使用しないデータも必然的に発生します。そのため、データ収集の段階では大量のデータが必要となるのです。


③個人情報やプライバシーに注意しなくてはならない

必要なデータを収集した結果、個人情報やプライバシーに関わる情報が含まれていることがあります。これらの情報を適切に管理しないと、個人情報の漏洩やプライバシー侵害といった問題が生じます。

特に、アノテーション作業をクラウドソーシングやオフショアで行う場合、情報漏洩のリスクが高まります。そのため、データ関連の業務を外部に依頼する際には、セキュリティ体制が整った企業を選ぶことが重要です。

契約において、適切なデータ処理とセキュリティ対策を盛り込みましょう。また、必要に応じてデータの匿名化や擬似化を行い、プライバシーを保護する方法も検討すると良いでしょう。


データ収集・データセット作成は外注する方がよい?


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結論として、以下の理由から外注したほうが効率やコストの面で有利になることが多いでしょう。

① 社内コア業務に集中できる
② 結果的にコスト面で有利になる可能性がある
③ 高品質なデータセットが得られる

ここでは、それぞれの理由を解説します。


①社内コア業務に集中できる

データ収集を外注することで、社員は内部スタッフしかできないコア業務に専念できるメリットがあります。仮にデータ収集からコア業務までを担当するとなると、慣れないデータ収集業務のほか、コア業務までこなさなければならない状況になり、内部リソースが不足してしまうかもしれません。

そうなると、機械学習のモデルを構築するまでの時間が余計にかかり、PDCAサイクルを回すスピードが落ちます。その結果、技術革新が遅れて競合他社に後れを取ってしまう事態につながるのです。

限られたリソースの有効活用の観点から、外注する方が時間的なメリットを得られることがわかります。



②結果的にコスト面で有利になる可能性がある

データ収集を外注することで、教育費や人件費を削減でき、結果的にコスト面で有利になる可能性があります。

もちろん、データ収集を外注するとその分コストがかかりますが、その業務を慣れていない社内の人材がこなすとなると、それ以上の工数がかかる可能性が高いです。また、データ収集に詳しくない社員に対しては時間と費用をかけてトレーニングを行う必要もあります。

そのため、外部に払う資金が増えても、結果的にコスト面で有利になることも多いのです。



③高品質なデータセットが得られる

データ収集やアノテーションを専門に行っている企業は、成功のノウハウや失敗例などを多数持っています。専門会社は、それらの知見を活かしてデータ収集を行うため、高品質なデータセットを得られます。

収集データはシステムの土台となるため、精度高いモデル構築には、高品質なデータが欠かせません。精度をできるだけ上げたい方は、実績のある専門会社に依頼するようにしてみてください。



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まとめ



本記事では、データ収集の方法や注意点などを解説しました。

機械学習において学習データは、システムの土台となるため、モデルの品質に大きく影響します。オープンデータのように無料で簡単に得られるデータもありますが、高品質なデータを得るためには、自社に合わせたデータ収集が必要不可欠です。

ただし、データ収集は適切な手順を踏んで行わなければ、収集したデータが無駄になってしまうこともあります。そのような事態を避けるためにも、収集すべき量や質を把握するのに加え、個人情報やプライバシーにも注意してデータを収集するようにしましょう。



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