画像認識AIを活用する顧客企業の課題解決事例です。ネクストリーマーは、数万枚の大規模なデータセットを数ヶ月で構築する要件に対し、大規模処理に耐える強固な技術基盤と柔軟な組織体制で対応し、AI開発の円滑な進行を支援しました。
※掲載画像はイメージです。実際のプロジェクトで使用された教師データではありません。
顧客企業は、短期間のうちにAIのさらなる精度向上を図るため、高度な判断力が求められる膨大な画像データのアノテーションを必要とされていました。
対象画像は、撮影条件や対象物の状態が不均一であり、判断基準が曖昧になりやすいため、作業者間の認識齟齬が発生しやすい特性がありました。
1枚あたりの処理に多大な時間を要する作業特性がありながら、数ヶ月以内に数万枚の教師データを調達する必要がありました。
ネクストリーマーは、難易度の高いアノテーション要件と流動的な仕様に対し、組織マネジメントと技術的工夫の両面からアプローチを行い、品質と生産性を最大化させるために以下の施策を講じました。
数十名規模のチーム構築に際し、厳格な採用テストとトレーニングプロセスを導入。基準に達した者のみをアサインし、実務を通じた継続的な育成を行うことで、盤石な運用体制を築き、大規模データの確実な納品を実現しました。
相次ぐエッジケースと仕様変更に対応するため、品質管理体制を大幅に強化し、60%以上の抜き取り検査と要所での全量検査を実施。厳格な多層チェックを通過した高品質な教師データを差し戻し率0%で提供しました。
複雑な形状をした対象物の描画を効率化するため、除外専用ラベルとレイヤー構造を導入。微細な調整を省き、塗りつぶしと重ね合わせでデータを処理することによって、作業工数を大幅に短縮し、短期間でプロジェクトを完遂しました。
>アノテーション環境の構築から運用まで、全工程を自社で完結。機密性の高いデータであったため、セキュアな専用インスタンスを立ち上げて作業を実施し、アノテーションツールの選定や実作業前の事前検証(データ互換性の確認・ラベリング設定・出力フォーマットの検証など)も含めて対応しました。
「数万枚のデータを処理するために、システムの自動化を徹底しましたが、最後の決め手となったのは、やはり現場の『柔軟な対応力』でした。例えば、自動化だけでは対応しきれない想定外の事態に直面した際は、人手によるきめ細やかな運用でカバーすることで、作業の停滞を回避しました。技術だけではカバーしきれない部分を人の手で補ったからこそ、この大規模なプロジェクトを短期間でゴールに導けたのだと思います。」