ディープラーニングのディープな講演会へ行ってきました

ディープラーニングのディープな講演会へ行ってきました

Nextremer斉藤です。

みなさんは、Yoshua Bengioという名前を聞いたことがありますか?
深層学習、ディープラーニングと呼ばれている分野を確立された3人の有名な研究者のお一人です。ちなみに、他の2人はゴッドファーザーと呼ばれるGeoffrey Hinton(Google DeepMind) さん、そしてYann LeCun(Facebook) さんでTorchというライブラリの作成者ですね。

先月、Yoshua Bengioさんが登壇する講演会が東京で開催され私も参加してきました。内容は、噛み砕きながら説明されていて非常に分かり易いだけでなく、ディープラーニングに関する最先端のお話も聞けるという大変充実した内容でした。

それでは講演会レポ、非エンジニアの方でもわかるように書いていきたいと思います。
※撮影は禁止されていたため写真はありません。

Yoshua Bengio先生が言ったこと4点

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(1)ディープラーニングのディープな部分とは何であるか。

一言で言うと、「習い事をするには部分を順番に組み合わせることが大切だよ。どんな部分情報をどんな順番に組み合わせると良いかを人間が教えなくても学習するのがディープラーニングのディープな部分だよ」という事でした。ちょっと難しいので、喩え話で説明しましょう。

中学生や高校生の漢字の勉強に苦労した人はいませんか?実は私はさっぱりでした(ボソッ)。今振り返ると、先生から「部首や辺を覚えなさい!!」と怒られてたのに反発して、お手本の漢字をまるごと覚えようとしていたからなのではないかなと思っています。さて、いろいろ漢字を覚えやすくするために、部首や辺や作りといった「部分」があるわけです。部分を覚えて組み合わせることで、漢字の勉強がはかどった!というかたもいるかもしれません。実は、似たような現象が機械が学習するときでも起こるんです。

さらに、とっても学習能力の高い小学生は、漢字の部首は辺や作りと言ったことを先生から教えられなくても、学習するために必要な部分情報を発見してしまうかもしれません。どんな部分情報に着目すればよいかを人間が教えなくても機械自ら発見して学習することは、ディープラーニングがディープだからこそできることです。

(2)Deepなことにどんな意味があるのか

キーワードはCompositibility。

Compositeという言葉は、構成する組み合わせるという意味です。今までの(ディープラーニングの手法が確立されるまでの)「浅い」学習方法では、昔の私がそうだったように、部分を組み合わせるという意識を持たずに勉強して、先生から「部首や辺を覚えなさい!!」と怒られていたのと同じ事をやっていたわけです。

先生が「この部首を覚えなさい!」「あの辺や作りを覚えなさい!」というようにいちいち教え込むのが、いままでのやり方だったわけです。では「深い」学習ではどうかというと、先生がいなくても意味ある部分の情報を少しずつ取り出していき、複雑な全体の情報を学習するということができるようになる!ということです。

(3)まだまだ、これから!という将来への課題について

今まで中心的に研究されてきた分類問題といった「教師あり学習」から、学習データの手動で作成する必要のない教師なし学習への取り組みが紹介されました。

ディープラーニングでは、解決できていない課題として質問応答と対話や、意味と記憶や、論理的な推論などが挙げられていました。また、自然言語処理全般では、画像・音声認識とは異なって根本的な進歩は達成されていないとのことでした。

(4)AI業界のブームについて

思慮深く冷静なBengio先生は、最後に短期的な利益にばかり注力すると業界全体が縮退してしまうのではという懸念も示されました。社会のニーズが印象だけのブームに支えられるのではなくて確かな技術的基盤に支えられないと、というお考えが伝わってきました。

ディープラーニングの今について、感じたこと

対話や質問応答&自然言語の推論や意味など、弊社が頭を悩ませているところが深層学習でも解決できていない最先端の分野なんだなと改めて認識させられました。

また、イベント展示などで会場に立っていると、バズワードなっている「ディープラーニング」に関する質問を、エンジニア以外の方から受けることが多くありました。AIに関するニュースは毎日のように目にする昨今ですが、本当の所、AIがどんなものなのか正確に理解する事は容易ではないでしょう。

今回の講演のように、難しい事を誰にでもわかるような視点から話し始めるという話の構成や、【深層学習でできること&できないこと】に関する事実を適切に伝えることなどは、とても参考になったので、今後取り入れていきたいと思います。

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